Spotifyのマスタリングとラウドネスに関するFAQ

Spotify公式資料より意訳(2018/12/8)

原文

Spotifyが対応するファイル形式は?

入稿する際はFLACとWAVを受け付けるけど、FLACの方がこっちで取扱いやすいから嬉しいな!

入稿したファイルはどのように処理されるの?

受け取ったデータは次のように変換するよ!

  • ・ファイルが破損していないこと、コーデック&コンテナが認識できることを確認するよ!
  • ・44.1kHzのWAVに変換するよ!(ビット深度は変更しないよ)
  • ・配信用に次のフォーマットに変換するよ!(どれが再生されるかはリスナーの環境や設定次第)
  1. Ogg/Vorbis [96, 160, 320 kbps]
  2. AAC [128, 256 kbps]
  3. HE-AACv2 [24 kbps]
  4. ReplayGainを使ってラウドネスを測定するよ!

(訳注:測定したラウドネスはメタデータとして保持されるだけで、音声ファイル自体に影響するものではない)

あとファイルの暗号化もするけど、これは音声に影響を及ぼすわけではないよ!

Spltifyは、マスタリング時のレベルでファイルを再生してくれるの?

いつもそうとは限らないんだ。なぜならSpotifyはリスナーが曲を再生するときに≪ラウドネス・ノーマライゼーション≫を実施するからね。

Spotify向けにマスタリングするときのコツをいくつか教えちゃうね!
・ターゲットラウドネスは-14LUFS(Integrated)に設定して、トゥルーピークは最大でも-1dB TPになるようにするといいかも! これはSpotifyが行う非可逆圧縮(Ogg/Vorbis/AAC)方式でエンコードする際にベストの設定で、エンコードによる歪みが最小になることが保証されるよ!
・どうしても-14LUFS以上で収録するときは、トゥルー・ピークが-2dB以下になるように気をつけてね。音圧が高いトラックほどエンコードの際に歪むからね!

Spotifyはどうやってラウドネスを測定するの?

いま(2018年12月現在)はReplayGainを使っているよ。これはSpotifyがサービスを開始した当時、ラウドネスを測定するもっとも標準的な方法だったんだ。

でも将来的には”ITU-1770″ってう、もっと新しい標準に移行する予定なんだ。入稿時のデータは、この方式でチェックするのがオススメだよ!

ReplayGainはラウドネスを特定の単位で表すわけじゃないから「Spotifyの規準はLUFSで言うとこの辺でーす」とは言えないんだけど…ReplayGainのアルゴリズムよりは3dB高く設定していて、これがITU-1170規準で言うとだいたい-14LUFSに相当するんだ!

ラウドネス・ノーマライゼーションってなに?なんでそんなことするの?

Spotifyには、世界中から音楽が送られてきていて、ミックスやマスタリング時のレベルも様々なんだ。だから、リスナーの音楽体験を最大化できるよう、音量バランスをとるためにラウドネス・ノーマライゼーションを行うんだ。

あと、音の大きいマスターも、小さいマスターも、等しくみんなに聴いてもらえるようにしたいからね。音の大きいマスターは不当によく聴こえるからね。これで理不尽な競争がなくなるといいな。

備考:SpotifyのWebプレイヤーと、サード・パーティ社製デバイス(スマートスピーカやTV)ではラウドネス・ノーマライゼーションは行わないよ!

Spotifyはどうやってラウドネスを調整するの?

みんなから受け取った音声ファイルは、さっき説明したようにOgg/Vorbis/AACに変換するんだ。
このときついでに、ファイルのラウドネスを測定した結果をメタデータとしてファイルに書きこむんだ!

このファイルを受け取ったプレイヤーは、規準レベルに合うよう再生音量を上下するんだ。
エンコード時にはファイルのレベルを変えるわけではないよ。
これでラウドネス・ノーマライゼーションなんて要らないやー!ってリスナーも満足だね!

・音量を下げるのはこんなとき
-14LUFSを越えるファイルは、これに合うよう再生時の音量を下げるよ!
レベルを下げるだけだから音が歪んだりはしないね

・音量を上げるのはこんなとき
-14LUFSに満たないファイルはレベルを上げるんだ。このとき音がクリッピングによる歪みが生じないようリミッターも通しちゃうよ!リミッターは、サンプルピークが-1dB、アタック5ms、ディケイ100msに設定されているよ!

リスナー側で再生音量を調整することはできるの?

Preiumプランのユーザは、次の中からラウドネス・ノーマライゼーションの設定を選ぶことができるよ!

  • ・Loud …-11LUFS規準
  • ・Normal …-14 LUFS規準(デフォルト)
  • ・Quuiet …-23LUFS規準

これは再生機器の出力が足りない人も、逆に静かな環境で聴くからリミッター要らないやー!って人にも満足してもらいたくて用意したんだ!

入稿したいアルバムは、意図的に音の大きなトラックと小さなトラックが混在しているんだけど、これはSpotifyで問題になる?

んなこたーない!

リスナーがアルバムを再生するときは、アルバム全体を通したラウドネスが-14LUFSになるよう考慮されるよ。だからトラック間の相対的な音量は変わらないんだ!これで音の小さなトラックもばっちりアーティストの意図どおりに聴いてもらえるね!

ただし、アルバム内のトラックを並べてシャッフルモードで再生したときとか、他のアルバムの曲も併せて聴く場合には、トラック単位でラウドネス・ノーマライズされるよ!

自分の曲がSpotifyでは他の曲ほどラウドに聴こえないんだ。〽ななななんでだろう?

曲がどの程度大きく聴こえるかは、ラウドネス・ノーマライゼーションがマスターに対してどのように作用するかによって変わるんだ。

いくつか考えられる理由を挙げてみるね

・-14LUFS規準にしてピークも活かしたマスターは、Spotifyで再生されてもピークはそのままになるよ。一方、-6LUFS規準のマスターはどんなに頑張ってもピークが-8dBまで下げられちゃうからね。この2つは聴感上は同じレベルで再生されるけど、よりダイナミックな曲の方がピーク部分はラウドに聴こえるよね

・さっきも説明したけど、アルバムの中で相対的に音が大きかったり小さかったりするトラックはシャッフルしたときに意図しないレベルになるかもね

・ミックス中に可聴域外の高周波が含まれていたりしない?ReplayGainもITU-1770も、ラウドネス測定アルゴリズムはローパスフィルタを含まないからね。高周波も音のエネルギーとして計上されちゃうよ

・トルゥー・ピークが-2dBを越えちゃうような、めちゃくちゃ音のデカいマスターだったりしない?こういうマスターのエンコード時に生じる余分な歪みは、人間には聴こえなくてもラウドネス測定アルゴリズムはレベルの一部として計上しちゃうんだ。

・ひょっとして再生機器の特性…かな?ラウドネス・ノーマライゼーションは再生環境の特性までは考慮しないからね。たとえば低域がドカドカ出る環境とか設定なら、当然低域の比重が大きいトラックは大きく聴こえるよね!

・いまのところはReplayGainのアルゴリズムを使っているからね。ITU-1770規準でマスターのレベルを設定した場合、この二つのアルゴリズムの違いが音量差になって現れることがなくもないも。

※意訳ここまで


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