Linear Phase EQの副作用を最小限にとどめるための注意点

Crave DSP “Linear Phase EQ Explained”より
特にプリ・リンギング回避のために注意すべき点に関する項目を抜粋、意訳。

原文:Crave DSP “Linear Phase EQ Explained”

以下は、上記記事の末尾にあるCheat Sheet(注意点の早見表)のみの抜粋です。
原文にはプリ・リンギングが発生する仕組みや、パラメータの変化がどのように信号に作用するかを、波形表示なども交えて詳説されています。興味のある方はそちらもご覧ください。

ピーキングEQ使用時

  • BoostよりもCutを使用する(オシロスコープの上でもプリ・リンギングが少ない)
  • なるべく次数の低いものを選ぶ
  • なるべく高い中心周波数(低い周波数ほどプリリンギングが長時間持続する)
  • 中心周波数が低いほど、高いQ設定に注意(特にTransientを多く含む場合)
  • 中心周波数が高いときは、Q設定は高めでもOK

ローパス・フィルタ使用時

  • Qは1が最適。それより低い値は小吉。それ以上は凶
  • なるべく次数の低いものを使用
  • 中心周波数は、なるべく高めに

ハイパス・フィルタ使用時

  • Qは1以下が小吉。それ以上は凶
  • なるべく次数の低いものを使用
  • 中心周波数は、なるべく高めに

ノッチ・フィルタ使用時

  • 次数はなるべく低いものを
  • 中心周波数はなるべく高めに
  • Qについて:ノッチの性質上、Qは高めになりがち。どうせ位相歪みが生じる周波数帯はバッサリ切られるわけなので、LinearPhaseでない通常のEQも試してみるのが吉

シェルビングEQ

  • Qは1が最適。それより低い値は小吉。1より上は凶
  • なるべく次数の低いものを使用
  • 中心周波数はなるべく高めに

おまけ

プリ・リンギングの音を実際に耳で聴いてみたい方は、下記サイトにあるスネアのBefore&Afterがとてもわかりやすいです。

リンク:
The Audio Masterclass Newsletter “The difference between minimum-phase and linear-phase EQ on transient signals such as snare drum”

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